解説&記事

ビールの温度は重要です!味が変わるよ~!

重要ビールは温度で味が変わる!

『冷やせば旨い!』ではないビール!

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日本でのビールの飲み方といえば、暑い夏の日にビールとグラスをキンキンに冷やしてゴクゴクと一気に飲み、「プハァ~!暑い日のビールは最高!」というように、ビールは冷やして飲む物というのが常識であり、冷やさなければ美味しくないというものでした。
 また、そのビール自体も冷やして飲むためのビール造りがアサヒ・キリン・サッポロ・サントリーなどの大手メーカーによって今日まで続けられ、ピルスナースタイルのような冷えた状態で美味しい下面発酵系のラガービールが日本では主流になりました。これは、日本独特の蒸し暑い気候と家庭への冷蔵庫の普及が大きな原因であると言われています。しかし、その事が常温に近い温度でも美味しく飲めるエール系ビールの普及の障害ともなってしまいました。

ビールの発酵方法には、上面発酵(エール系ビール)・下面発酵(ラガー系ビール)・自然発酵・複合発酵(様々な発酵方法を組み合わせたもの)の四種類があります。その内の主要な発酵方法は、上面発酵と下面発酵であり、この二つの発酵方法で世界中の大手メーカーやクラフトビール(地ビール)メーカーが発売しているビールのほとんどを占めています。
 ところが、日本では冷やして飲むための下面発酵系のラガービールのみが主流に成ってしまったために、もう一方の上面発酵系のエールビールが普及しませんでした。これらの上面発酵のエールビールと下面発酵のラガービールには、以下のような違いがあります。

上面発酵(エールビール) 下面発酵(ラガービール)
発酵方法 発酵が進むにつれて、麦汁の上部に酵母が浮き上がる性質の酵母を使う。 発酵が進むにつれて、タンクの底の方へ沈んでいく性質の酵母を使う。
発酵温度 15~20℃ 5~10℃
発酵期間 3〜4日 7〜10日
熟成期間 約2週間(ビールのスタイルによっては、もっと長期間熟成をさせる場合もある) 約1ヶ月
味の特徴 濃厚若しくは芳醇で豊かな味わいがある。苦味成分が多くても、モルトの旨味やその他の味成分も多いので苦味を感じにくい。冷やしすぎると本来の美味しさが味わえない。 のど越しが良く、あっさりスッキリとした味で、それほどコクは無い。苦味成分が少なくても苦味を感じやすく、冷やさないと美味しくない。
楽しみ方 麦のワインというような感じで楽しむ。 苦い炭酸飲料または飲料水の代わりのような感じで楽しむ。
スタイル(種類) ペールエール、スタウトなど ピルスナー、ミュンヘナーなど
日本で発売されているビール ザ・プレミアム・モルツ・香るエール、アサヒスタウト、エビスプレミアムエールなど、日本の大手ビールメーカーの一部のビール及びYONAYONAエール、インドの青鬼など多くのクラフトビール。 アサヒスーパードライ、エビスビール、キリン一番搾り、サッポロ黒ラベル、サントリーモルツなど、日本の大手ビールメーカーのビールのほとんど及びクラフトビールの一部。

上の表から分かるように、上面発酵のエールビールと下面発酵のラガービールとでは、製造方法は勿論のこと、味わい方や飲み頃の温度も違います。そのため、そのビールに適した温度で飲まなければ、そのビールが持つ本当の美味しさを味わうことはできません。
 特にエールビールを冷やしすぎて飲まないように注意が必要です。

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ビールは「温度」と「注ぎ方」で味が変わる!

ビールは常に一定の味をキープしているわけではなく、工場や醸造所で醸造されてからは徐々に味の劣化が始まります。この味を劣化させる主な要因としては、保管温度・太陽光・運搬時の衝撃・時間(経過年月)などがあげられます。
 しかし幸いなことに日本の大手メーカーなどは、ビールを工場から出荷してから後も味の劣化を少しでも抑えるための品質管理を行っており、店頭に並べられたビールも工場出荷時に近い味がキープされています。
 ところがどんなにメーカーや醸造所が品質管理に力を入れても、購入した消費者側が間違った飲み方をしていたのでは、美味しいビールも美味しくは飲めません。それらの間違いを犯さないためにも消費者側は、次の三つを知っておかねば成りません。

  1. ビールにはラガー系ビールエール系ビールがある。
  2. ビールは注ぎ方で味が変わる。
  3. ビールは温度で味が変わる。

①のラガー系ビールは、アサヒ・キリン・サッポロ・サントリーなどの日本の大手メーカーが発売している大部分のビールで、アサヒスーパードライやキリン一番搾り、そしてサッポロ黒ラベル・サントリープレミアムモルツなどです。このラガー系ビールは、ビール自体にコクが無いためにあっさりとした味であり、ビール本来の味を楽しむと言うよりも炭酸飲料やミネラルウォーターの代わりとしてゴクゴクと飲んで、爽快な「のど越し」を楽しむ飲み方となります。そのために、飲む温度は低めとなります。
 それに対してもう一方のエール系ビールは日本の大手メーカーではあまり発売されておらず、各地方に点在するクラフトビール(地ビール)の醸造所で楽しむことができます。このエール系ビールの味は、芳醇なコクがあり、ビール本来の味を楽しみながらゆったりと飲むという飲み方が合っています。そのために、飲む温度はラガー系のビールよりも高めとなり、常温で楽しめるエール系ビールも存在します。また、ビールのスタイル(種類)もラガー系ビールよりも豊富にあります。

ビールは注ぎ方で味が変わる

②にあるようにビールは「注ぎ方」で味が変わります。そしてこの「注ぎ方」は大きく分けて四つの種類があります。

  • 泡なし注ぎ(泡を多く作らないので、ビール本体に炭酸や苦味成分が多めにのこされて、炭酸感と苦味が強い味になる)
  • 一度注ぎ(泡が粗いので泡がはじけやすく、炭酸も多めに残っているので、爽快なのど越しが楽しめる)
  • 二度注ぎ(泡が細やかになり、炭酸が一度注ぎよりも抜けるためにマイルドで、やや甘味感のある味になり、ビールのコクも楽しめる)
  • 三度注ぎ(クリーミーな泡となり、二度注ぎよりも更にマイルド感と甘味感が強調される)

上記の注ぎ方についての解説は、YouTubeで検索すれば、いろいろな動画がアップされていますので、そちらをご覧下さい。
 これらの注ぎ方は、ビールを美味しくする注ぎ方というよりも、ビール本来の味を、より自分の好みに変えるための補助的な手段と捉えるのが正しいと思います。即ち、泡なし注ぎ・一度注ぎ・二度注ぎ・三度注ぎのどれが正しい、間違っているというのではなく、自分の好みのビールや今手元にあるビールを、より一層美味しく楽しむために、自分の好みの味に近づけるための手法ということです。

ビールは温度で味が変わる

私(Patakara)は、温度の違いでどのように味が変わるのかを知るために、ネットの口コミで評判が高かったビールを低温に冷やして、徐々に温度を上げていき、どのように味が変化するのかを実験してみました。
 尚、この実験のビールの注ぎ方は、グラスをテーブルに立て、注ぎ口をグラスの縁から少しだけ放すという、家庭で一般的に行われている注ぎ方をしています。また、味の印象は、あくまでも私個人の感想であり、試すビールによっても違いが出てきますので、その点をご理解ください。

味の印象 泡立ち
4℃ かなり低温のために、尖った感じの苦味と酸味(冷たいためにそう感じた可能性がある)を強く感じ、それ以外の味を感じない。 低温のために泡立ちはかなり悪い。
6℃ やはり、尖った感じの苦味と酸味を感じ、ビールの持つモルト感や旨味は感じない。 泡立ちは、まだそれほど良くない。
8℃ 酸味感はやや薄れ、苦味の他にややモルトの風味も感じるようになる。ラガービールの場合は、この温度でも十分楽しめそうな感じ。 泡立ちは良くなる。
10℃ 酸味感は薄れ、苦味は残るが、モルトの風味をかなり感じられるようになり、甘味やコクも感じられるようになる。 泡立ちはかなり良くなる。
12℃ 苦味とモルトの風味、そしてコクや甘味を十分に感じられるようになり、バランスのとれた美味しさを感じることができる。エールビールはこの温度くらいからが本領を発揮できると思われます。 泡立ちは良好。


 上の表の結果からも分かるように、業務用のサーバー等を使わない一般家庭での普通の注ぎ方では、ビールが低温過ぎる場合には泡立ちが悪く、一度注ぎ・二度注ぎ・三度注ぎのように大量に泡を立てて炭酸や苦味を抜くという効果は当然悪くなります。
 即ち、これらの注ぎ方の前提は、そのビールが美味しく飲める適温に近い温度(適温よりもやや低い温度)であることなのです。故にビールを美味しく飲むための基本は、まずそのビールの「美味しく飲める適温」を知り、その適温よりもやや低い温度くらいで、そのビールの味の特徴に合った「美味しく飲める注ぎ方」を行って、自分の好みの味に整えるという順番になると思われます。

参考】私が使っている「温度を確認するグッズ」

家庭でビールの温度を調べるには、調理用の温度計をグラスに差し込まなくてはなりませんが、下のサーモラベル(温度計シール)をグラスに貼り付ければ、その手間をかけずに大体の温度を知ることができます。
 このラベルの場合は、1℃が水色、2~5℃が緑色、6~8℃が橙色、9~12℃が赤色というように、温度によって黒色から色が変化して表示されます(温度が低い順に反応してくる)。尚、左側のサーモラベルは、11℃と、12℃が黒色ですので、温度は10℃ということです。また、左の写真にあるビールの温度は、8℃以上が黒色なので、約7℃となります。

【注意】サーモラベルには可逆性不可逆性の物がある!

サーモラベルは、Amazonやモノタロウでも購入できます。ただし、このサーモラベルには用途による違いによって、「可逆性」(温度が上下してもその変化を表示できる物)と「不可逆性」(表示した温度よりも下がってもその変化は表示されない物)とがありますので注意が必要です。購入の場合は、「可逆性」の物を購入してください。価格は10枚若しくは5枚1組で売られており、1枚300円程度します。

温度を間違って飲むと「トリプルの悲劇」につながります!

「Wの悲劇」ならぬ「トリプルの悲劇」とは、ラガー系のビールの知識しか無い消費者が、エールビールを購入した場合に起こりえる悲劇です。以下はその起こりえる予想というか、もう既に起きている悲劇でもあります。
、ビール好きのAさんは大のビール好きで、大手メーカーのビールを日頃楽しんでいましたが、友人のすすめからクラフトビールに興味を持ち、購入することにしました。
、Aさんは、少しでも美味しいビールを購入しようと、ネットで「口コミ」を検索して調べ、最も評判の高いビール(エール系のビール)を通信販売で注文しました。
、その価格は、350mlの瓶一本が300円で、これを6本一組で注文して、送料を入れると3,000円ほどに成りました。
、Aさんは、いつも飲んでいる大手メーカーのビールよりも2倍以上もする出費を少し後悔しましたが、「きっと、それだけ美味しいのだろう」とビールが届くのをワクワクして待ちました。
、その数日後、ビールが届いたAさんは、直ぐに冷蔵庫にいれて保管をし、翌日の休日に冷蔵庫からビールを取り出すと、冷やしたグラスに注いで、ゴクッと一口飲みました。
、「何だこれ!ちっとも美味しくないじゃないか!これならいつも買っている大手メーカーのビールの方が、よっぽど美味しい!」とAさんは、そのビールのまずさに呆れると共に、高い買い物をしたものだと後悔しました。
、「この醸造所は、こんな不味いビールを高い値段で恥ずかしげもなく、よく売っているな!クラフトビールの中でも評判の高いビールなのに、この程度なのか!もう二度とクラフトビールなんか買わないようにしよう!」
、それ以降、Aさんは、その醸造所のビールは勿論の事、二度とクラフトビールも購入しませんでした。そして後日、Aさんは勤める会社でも「この前、クラフトビールを注文して飲んだけど、まずくて飲めたものじゃなかったよ!」と同僚に広め、クラフトビールの悪評は広まっていきました。

このように、エールビールをラガービールの知識しかない消費者が、ビールはみんな同じだろうとエールビールの適温よりも低い温度で飲んでしまい、その結果、エールビール本来の豊潤な味わいを楽しむことなく、不味いビールという評価を下されてしまう事例は、意外と多いと思われます。そして消費者が飲む温度を間違っただけで、以下の三つの悲劇を生むことになります。

  1. 消費者側は、高いお金を出したのに「美味しくないビールを飲まされた」と間違った印象を持ってしまう。
  2. 醸造所側は、丹精込めて造ったビールに対して消費者から不味いビールという評価をくだされ、その後は購入してもらえない。
  3. クラフトビール業界は、消費者側からクラフトビールは不味いという間違った印象を持たれ、それが広まってしまう。

ビールを造る醸造所の方達は、ビールに対する知識は豊富です。しかし、そのビールを飲む側の消費者は、エールビールやラガービールの区別もできずに、ビールは冷やせばOK!程度の乏しい知識しか無いのです。
 ですので、醸造所が、自分たちの造ったビールについての情報(美味しく飲むための情報)を消費者に伝えることは、絶対に必要だと思います。

ビールを美味しく飲むための情報」の伝達は必須!

ビールを造る醸造所の方達は、ビールに対する知識は豊富です。しかし、そのビールを飲む側の消費者は、エールビールやラガービールの区別もできずに、ビールは冷やせばOK!程度の乏しい知識しか無いのです。
 ですので、醸造所が、自分たちの造ったビールについての情報(美味しく飲むための情報)を消費者に伝えることは、絶対に必要だと思います。

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